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第110話 遂に会社、立ち上げます!

last update publish date: 2026-10-21 06:00:55

 翌日。俺は昼過ぎまで爆睡していた。

「んん……」

 頭が重い。

 昨日は10万人突破祝いで、かなり飲んだ。

 でも気分は最高。

 スマホを見ると、登録者数、10万8742人。

「増えてるぅ……!」

 寝てるだけで8000人増えてる。

「これ、100万人マジであるだろ」

 俺はベッドの上でニヤニヤした。もう完全に人気配信者。

 あとは、この10万人を金に変えていくだけ。

 月1000万。

 いや。

 100万人いけば月1億くらいいけるんじゃね?

「フッ……」

 昨日まで3千万あった金がだいぶ減った気がするが、そんなもの誤差だ。成功する前には金がかかる。

 ロケットだって飛ぶ前に燃料を大量に使う。今の俺はロケット。

 まもなく宇宙。

 ああ~最高のきぶ~ん(笑)(笑)

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  • 死に戻り令嬢は、初恋を選んだ元婚約者が土下座しても絶対に許さない   第110話 遂に会社、立ち上げます!

     翌日。俺は昼過ぎまで爆睡していた。「んん……」 頭が重い。 昨日は10万人突破祝いで、かなり飲んだ。 でも気分は最高。 スマホを見ると、登録者数、10万8742人。 「増えてるぅ……!」  寝てるだけで8000人増えてる。「これ、100万人マジであるだろ」 俺はベッドの上でニヤニヤした。もう完全に人気配信者。 あとは、この10万人を金に変えていくだけ。 月1000万。 いや。 100万人いけば月1億くらいいけるんじゃね? 「フッ……」  昨日まで3千万あった金がだいぶ減った気がするが、そんなもの誤差だ。成功する前には金がかかる。 ロケットだって飛ぶ前に燃料を大量に使う。今の俺はロケット。 まもなく宇宙。 ああ~最高のきぶ~ん(笑)(笑) 「完璧」  スマホが鳴った。着信名は成美だ。『陽太君、起きてる?』「おう」『今日、ちょっと大事な話したいんだけど』「大事な話?」『これからのこと♡』「とうとう俺に告白か?」 ついに来たか。 まあ、10万人配信者になった男を放っておける女はいない。「いいよ。ホテル来る?」『仕事の話だからスタジオで(笑)』 仕事かよ。   んで、呼び出しがあったからスタジオへ行くと、成美が分厚いファイルを抱えて待っていた。「なにそれ?」「陽太君の未来」「俺の未来?」「そう」 成美がテーブルへ書類を並べる。「陽太君、登録者10万人超えたでしょ?」「おう」「企業案件も増えてる」「おう」「イベントの問い合わせ

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     そこからさらに1週間。登録者数は―― 7万1000。 7万8000。 8万3000。 8万9000。 とんでもない勢いで伸び続けた。「ヤバいヤバいヤバい!」 俺はスマホ片手にスタジオをうろうろしていた。「あと1万ちょいじゃん!」「だから言ったでしょ?」 成美は余裕たっぷり。「10万人いけるって」「銀の盾だぞ!?」「うん」「銀の盾!!」「知ってる」「欲しい!」「子供みたい」「成功者の証だろ!」 俺の頭の中ではすでに銀の盾を抱え、高級スーツを着て。結月の前に立っていた。『陽太さん……すごい……』『フッ。ようやく俺の価値が分かったか』 完璧。「成美」「なに?」「10万人いったら、結月にも絶対見せる」「……何を?」「銀の盾」「どうやって?」「持って会いに行く」 成美が呆れた顔をした。「重くない?」「そこじゃねえだろ!」 感動の再会だぞ!「まあいいけど」 成美はノートパソコンへ視線を戻した。「でね」「ん?」「10万人まで、一気に押し切りたい」「おう」「今勢いがあるから、ここで広告止めるのが一番もったいないの」「なるほど」「ショートも増やして、コラボも入れて、広告もさらに回したい」「やれ!」「……金額聞かないの?」「

  • 死に戻り令嬢は、初恋を選んだ元婚約者が土下座しても絶対に許さない   第108話 かなり減った残高

     300万円の広告費を追加で突っ込んでから、また数字が跳ねた。 広告の露出が増え、ショート動画が回り、俺の顔が、あちこちのおすすめ欄に出るようになった。 そして登録者4万人。 4万3000。 4万7000。「来てる……」 俺はスマホを握りしめた。「完全に来てるぞ……!」 成美からも、毎日のように連絡が来る。『陽太君、今日のショート15万再生』『切り抜きも伸びてる』『案件候補も3社来てるよ』「案件!?」『うん。まだ小さいけど』「いくら?」『1本20万くらい』「20万!?」 喋るだけで?『陽太君の場合、キャラが強いから企業も興味持ってる』「キャラじゃねえ。人間性な」『はいはい(笑)』「はい1回!」『なに?』「今の雑!」『ごめん♡』「……まあいい」 こんな調子で数日後。 第8回配信。 視聴者は、ついに6000人を超えていた。「今日は重大発表があります!」『何?』『結婚?』『成美さんと?』『借金返した?』「どれも違ぁーう!」 俺は画面の前で胸を張る。「企業案件が決まりました!」 ピースでどや顔のアップが映る。『おお』『マジで売れてきた』『一条伝説すげえ』『成美さん仕事できすぎ』「また成美かよ!」 スタッフが横から笑っている。 成美も、少し離れたところで、スマホ片手に笑っていた。「俺の魅力あってこその案件だからな!」『はいはい』『

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     150万円を払ってからさらに2週間。俺の配信環境は、完全に変わった。「おお……」 新しい撮影スタジオ。 正面には大きなモニター。 背景には『YOHTA』のネオン。 高級そうなソファ。 本棚に観葉植物。 意味はよく分からないが、やたら金持ちっぽいオブジェ。「どう?」 成美が得意げに聞いてきた。「……めっちゃ俺っぽい」「でしょ?」「成功者感すごくね?」「すごいすごい」 俺はソファに深く座った。「これなら結月も見るだろ」「……まだ結月ちゃんのこと言ってるの?」「当たり前だろ」「ふーん」 成美が、少しだけ面白くなさそうな顔をした。 お?「なに?」「別に」「嫉妬?」「してないけど?」「フッ」 してるなこれは。 完全にしてる。 俺、モテ期入ってんな。 そんなモテ男ヨーチューバ―、新スタジオからの初配信。「どうも!」 俺は両手を広げた。「進化した一条陽太です!」『背景豪華になってる』『金かけたな』『成美さん有能』『ネオン草』「ネオン草ってなんだよ!」 視聴者。 開始10分で2000人。 30分で4500人。「今日すげえぞ!」『伸びてる』『伝説始まった』『本当に有名になってきてる』 気持ちいい。めちゃくちゃ気持ちいい!!「みんな」『なに?』

  • 死に戻り令嬢は、初恋を選んだ元婚約者が土下座しても絶対に許さない   第106話 150万円即決で!

     100万円を追加で入れてから、成美の動きは、さらに速くなった。 翌朝。『陽太君、今日からショート3本ずつ出すよ』「3本?」『うん。昼、夕方、夜』「そんなに?」『アルゴリズムに覚えさせるの』「アルゴ……?」『陽太君は覚えなくていいよ』「そう?」『喋ってればいいの♡』「なるほど」 役割分担ってやつだな。 俺は表。成美は裏。 やっぱり完璧。 その日の昼。1本目。『借金30億でも「俺は勝ち組」と言い切る男』「また借金ネタかよ!」 でも、再生数7万。 夕方。『元御曹司、一条陽太。「アンチは成功者の証」と断言』「お、これはカッコいい」 再生数12万。 夜。『宝くじ3千万円を「実力」と言い張る男』「言い張るじゃねえ! 本当に実力だ!」 再生数23万。 俺はスマホを持ったまま固まった。「23万?」『伸びてるね』 成美から即メッセージ。「伸びてるどころじゃねえだろ!」『登録者見てみて』 開く。「……3400?」 昨日まで1000人いなかった。 なのに。「1日で?」『うん』「すげえ……」『だから言ったでしょ?』 俺、やっぱり売れる才能ある!!「成美」『なに?』「俺たち、最強じゃね?」『今さら?』

  • 死に戻り令嬢は、初恋を選んだ元婚約者が土下座しても絶対に許さない   第105話 悪魔女に100万円払う男

     俺はワイングラスを置き、腕を組んだ。「先に言っとくけどな」「なに?」「俺、もう4年前の俺じゃないから」「うん」「金なら何でも出すとか、そういうのはなしだぞ」「もちろん」「『ブランド物買って♡』とかもナシだからな」「わかってる。だから私も今は仕事の話してるよ? バッグ買ってなんて言ってないよね?」 成美がまともだ。逆に怖い。「で、いくら必要なんだ?」「そうね……」 成美がスマホを操作した。「まず最初は30万円くらいかな」「30万?」 思ったより安い。「何に使う?」「編集費。切り抜き制作。ショート動画の制作。それと広告テスト」「広告テスト?」「いきなり大金を使うんじゃなくて、まず少額でどの層が反応するか見るの」 なるほど。「あと、私のコンサル費」「いくら?」「最初の1か月は10万円でいいよ」「合計40万?」「うん」 3千万円のうち。 40万円。「安くね?」「安くしてるの」「なんで?」「陽太君だから。昔のこともあるし、最初はそれでいい」 なんでもないように言ってのけた。「成美……」「でも、ちゃんと結果は出すよ」 俺は少し考えた。 40万円。高いといえば高い。 だが、登録者10万人に月収1000万円。 その未来を買うと思えば――「安いな」「でしょ?」「よし」 俺は即決した。「払う」「本当に?」「ああ」

  • 死に戻り令嬢は、初恋を選んだ元婚約者が土下座しても絶対に許さない   第7話 帝登場

     それどころか、前世の一条グループじゃ逆立ちしても手が届かなかった財界のドン・武藤会長に自分からすり寄って、なんかクソ難しそうな半導体の話をして、あっという間に気に入られてやがる。 俺にわからねえ話で盛り上がるなんて……生意気だ!「おい、ふざけんなよ……! なんであいつ、俺をあんなゴミを見るような目で見たんだよ……っ!?」

  • 死に戻り令嬢は、初恋を選んだ元婚約者が土下座しても絶対に許さない   第3話 戻ってきた女

     ※「——結月さん?  白峰結月さん、聞いていらっしゃいます?」 名前を呼ばれて私は目を開けた。 まず飛び込んできたのは、まばゆいシャンデリアの光だった。磨き上げられた大理石の床。氷とグラスの触れ合う澄んだ音。着飾った人々が交わす華やかなざわめき。香水と、生花と、上等なワインの匂い。 冷たい安アパートの天井ではなかった。胸を焼く痛みもない。 視界を落とすと、手が映った。それは——細く、白く、傷ひとつない若い指が、シャンパングラスを握っていた。 鏡張りの壁に映った自分の姿に私は息を呑んだ。そこに立っていたのは、二十二歳の私だった。  すべてを奪われ、たった一人で死んでいったはず

  • 死に戻り令嬢は、初恋を選んだ元婚約者が土下座しても絶対に許さない   第2話 死にゆく女

     志田成美、彼女は陽太がまだ何者でもなかった学生時代に、ただ一人本気で恋をした女。  そして、彼の前から黙って姿を消した女だった。 彼女は、儚げな人だった。私とは何もかもが正反対の。守ってあげなければ今にも壊れてしまいそうな、潤んだ瞳。風が吹けば飛んでいきそうな、頼りない肩。陽太は成美を前にすると、人が変わったように優しくなった。まるで、置き去りにしてきた青春を、もう一度やり直そうとするみたいに。 成美が「経営のことは、私、何も分からなくて」と困ったように睫毛を伏せれば、陽太は嬉々として手を差し伸べた。私が十年かけて整えてきた会議の段取りを後回しにしてまで、彼女のために時間を割いた。

  • 死に戻り令嬢は、初恋を選んだ元婚約者が土下座しても絶対に許さない   第1話 奪われた女 Side:白峰結月

    「はぁ……」 私はため息をついた。 天井のしみを、もう何百回数えただろう。 白い天井に走る、雨漏りのあとのような薄茶色のしみ。三つ、いや四つ。数えるたびに増えていくような気さえする。かつての私なら、こんな安アパートの天井を見上げて死ぬ日が来るなんて、想像すらしなかった。 白峰結月(しらみねゆずき)。白峰ホールディングスの一人娘として生まれ、何不自由なく育った。海外の大学で経営学を修め、二十代の半ばで財閥の中核事業を任され——そして三十を過ぎた今、私は、すべてを失った。 医者は、過労と慢性的な栄養失調が重なったのだと、淡々と告げた。笑ってしまう。財閥令嬢として生まれた女が、その日の食

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